薬物依存症セミナー参加メモ
演題 薬物依存症の正しい理解と支援 -医療の現場から-
講師 埼玉県立精神医療センタ-副病院長 成瀬暢也先生
日時 平成25年10月26日(土)高岡ふれあいセンター 2:00~
場所 高岡市ふれあい福祉センター
高岡保護司会の主催「薬物依存症セミナー」に参加しました。
(講演メモ)
乱用とは物質使用上のルール違反をいます。
薬物は一回だけであっても、処方以外の使用をすれば乱用です。
依存は物質使用のコントロール障害です。
中毒は物質使用によるダメージです。
依存症は、意志が弱いからでも性格の問題でもない。
コントロール障害を主症状とする病気。
本人の意志の問題で解決できるものではない。
病気であるから、治療には医師、医療が必要。
薬物依存症の治療システムはできていない。
薬物依存症は糖尿病や高血圧と同じ慢性疾患であり回復する病気。
依存症になる前の状態に戻る「治癒」はない。
日本では回復支援がほとんど何もない。
病院は全国で10カ所程度。
回復支援の社会資源はダルクと、NA(ナルコテイクス・アノニマス)のみである。
現在ではダルクは全国で60カ所くらいになっているが、ダルクは回復者の自助グループであり、回復者の負担が大きくなっている。
中毒やダメージの治療を行う病院はあるが、殆どの場合依存症の治療は行われていないし、どうやってやめればいいかわからない。
精神力で依存症を克服することは難しい。
依存症とはコントロールできない悪い習慣である。
脱法ドラッグ合法ドラッグの怖さ。
使っても捕まらない薬物法に触れない。
何がはいっているかわからない。
治療が難しい。
法に触れていないということで罪悪感が少ない。
なぜ薬物依存症の人を治療する場所も少ないか。
イメージが悪い。
依存症は薬だけで治療できない。
5分~10分では診察できない。
患者が素直でない。
全国10カ所しか治療する機関がない。
誰が治療するのか。
誰が関わるかが大切。
共感性をもって当たり前に普通に一人の人間として向き合うこと。
正直な思いを話せる相手になること。
決めつけるのではなくサポートを続けること
刑の一部執行猶予法案が2013年6月13日成立し、3年後に施行されることが決まりました。
薬物事犯者を施設(刑務所)より社会で支え見守る(保護観察付執行猶予)ことで再犯を防ごうという試みです。
実施にあたっては、問題点、支える社会的な支援環境など準備すべきこともこれから論議・準備されるかと思います。
私たち保護司も、少しずつではあっても薬物乱用や薬物依存症について学んでいきましょう。
関連リンク
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