射水保護司会は富山県の中央部、射水市で活動する保護司により構成される団体です

なぜ今、「再犯防止」なのか?

       平野 洋子

毎日のように悲惨な事件や事故の報道が新聞紙上等で報道されており、心が痛む日々です。
平成28年の犯罪白書によると、刑法犯認知件数は、約15年前(平成14年)の戦後最悪の285万件から各種再犯防止の取り組みの成果により、戦後最小の100万件台と減少しました。

一方検挙者に占める再犯の割合(再犯者率)が上昇し、約50%を占めるに至っているとのこと。

また、現在、刑務所出所者のうち、出所後2年以内に約2割が、出所後5年以内に約割が再犯により刑務所に再入所している状況にあります。

安全・安心な社会を実現するためには、再犯防止対策が必要可欠であるといわれています。

平成26年12月開催の犯罪対策閣僚会議が、

「犯罪に戻らない・戻さない~立ち直りをみんなで支える明るい社会へ~」と宣言しました。

 

それは、犯罪や非行をした者を社会から排除・孤立させるのではなく、再び受入れることが自然にできる社会にすることを目標としています。

たしかにこれまでの「再犯防止対策は国の仕事」としていたものは、

「出所者等が社会で居場所がなく孤立」→「再犯・刑務所へ」→「社会からの排除・孤立化が進む」ことになり、

「犯罪・非行の繰り返しを生む負の悪循環」

となり、出所者は社会で孤立する者が多くいました。

平成29年12月策定の「再犯防止対策を官民一体で確実的に取組む」ことにより、

「社会での居場所ができる」→「更生・立ち直り」→「国民の理解・協力が広がる」

となり、「犯罪・非行の繰り返しを防ぐ好循環」へと変化していくと思います。

また、政府は平成33年までに、2年以内再入率を16%以下にする等を確実に達成し、国民が安全で安心して暮らせる「世界一安全な日本」の実現を目標としています。

7月は「社会を明るくする運動」強調月間となっていますが、これに加え「再犯防止啓発月間」にもなっており、再犯防止推進計画等の取組みを社会の皆様方に広く知らしめることにより、関心と理解を深めていく月間となっています。

我々保護司も啓発・広報活動に積極的に取り組んでいこうではありませんか。