射水保護司会は富山県の中央部、射水市で活動する保護司により構成される団体です

第71回“社会を明るくする運動”

~犯罪や非行を防止し,立ち直りを支える地域のチカラ~

(法務省ホームページより)

■“社会を明るくする運動”とは?
 “社会を明るくする運動”~犯罪や非行を防止し,立ち直りを支える地域のチカラ~は,すべての国民が,犯罪や非行の防止と犯罪や非行をした人たちの更生について理解を深め,それぞれの立場において力を合わせ,犯罪や非行のない安全で安心な明るい地域社会を築くための全国的な運動です。令和3年で71回目を迎えます。

■地域のチカラが犯罪や非行を防ぐ
 テレビや新聞では,毎日のように事件(犯罪)のニュースが報道されていますが,安全で安心な暮らしはすべての人の望みです。犯罪や非行をなくすためには,どうすればよいのでしょうか。取締りを強化して,罪を犯した人を処罰することも必要なことです。しかし,立ち直ろうと決意した人を社会で受け入れていくことや,犯罪や非行をする人を生み出さない家庭や地域づくりをすることもまた,とても大切なことです。
 立ち直りを支える家庭や地域をつくる。そのためには,一部の人たちだけでなく,地域のすべての人たちがそれぞれの立場で関わっていく必要があります。“社会を明るくする運動”では,犯罪や非行のない地域をつくるために,一人ひとりが考え,参加するきっかけをつくることを目指しています。

■あなたもできることから始めてみませんか
 “社会を明るくする運動”では,街頭広報,ポスターの掲出,新聞やテレビ等の広報活動に加えて,だれでも参加できるさまざまな催しを行っています。イベントに参加したり,このホームページを見たりしたことなどをきっかけにして,犯罪や非行のない安全で安心な暮らしをかなえるためいま何が求められているのか,そして,自分には何ができるのかを,みなさんで考えてみませんか。

 

第71回“社会を明るくする運動”では,

  「#生きづらさを、生きていく。」をテーマにしています。

 
 昨年来,新型コロナウイルスは,日常生活に大きな影響をもたらしました。当たり前であった人との触れ合いが難しいものとなり,望まない孤独や社会的孤立が生まれ,その孤独・孤立によって,各々の中に伏せられていた“生きづらさ”が浮き彫りになりました。
 そのような中で行われる第71回“社会を明るくする運動”。
 難しいときにあって,求められる“明るさ”とは何だろう,これが一番の課題でした。

 更生保護に携わる人にとって,立ち直ろうとしている人たちの“生きづらさ”に触れる場面は,決して少なくありません。立ち直ろうとしている人たちの葛藤を目にするとき,社会がどんなに発展しても,立ち直ろうとしている人たちが抱える生きづらさそのものがなくなることはないのかもしれない,そう思うことがあります。

 しかし,生きづらさは消えないけれども,立ち直ろうとしている人たちが,更生保護に携わる多くの方々に支えられながら前に進んでいく,という長い間続いてきた営みがあります。
 この営みは,特に,コロナ禍という時代にあっては,立ち直ろうとしている人たちに限らない,誰もが自然と求める営みなのではないか,難しいときだからこそ,誰もが乗り越えることのできない生きづらさを抱えながら,そして,だからこそ人に頼り,支えてもらいながら,「生きづらさを,生きていく」ことが大切なのではないだろうか,そのような思いでテーマにしました。

 ある女性と若い男性が町中で偶然出会う。
  女性は少し前から男性が向こうから歩いて来ることに気づいていたけれど、声をかけるか迷っていた。
  すると,少し遅れて気付いた男性が、人懐こそうな感じで「先生」と手を振ってくる。
   -久しぶり。元気だった?
   -元気です。先生も元気そうでよかったです。
   -どうしてるかなと思ってたけど、連絡ないから元気でやってるんだろうなって思ってた。

  若い男性は,4年前に少年院を出て1年間その女性の保護司のもとに通っていた。
  20歳になる半年前に保護観察を終えて,それからは保護司と会うことはなかった。
  保護観察が終わった日から今日まで,決して順調ではなかったし,色んなことがあって,少年院に戻った方が楽だと思ったこともあった。
  でも,仕事先の飲食店の同僚とか新しい友達もできて,彼女もできて,なんとなく自分なりに社会と折り合いをつけてやっていくことができるようになってきた。

 

 

 川辺で木陰になっているベンチで話す2人。
 気付いたらかなり時間がたって、少し日が傾いてきていた。

 

 -これからはよかったらちょくちょく連絡してね。
 -うん。そうします。
   この何年間か、先生に連絡しようかなって思ったことも何度もあったけど、なんとなくできなかった。
   でも今日会えてよかった。
 -じゃあ、元気でね。

 青年を見送る保護司。
 少年院に入る前、そして出た後も青年が抱えてきた、“生きづらさ”のことを考えた。
 自分がずっと青年の面倒をみれるわけじゃない。
 でも、青年が持つ“生きづらさ”のことを考えることはできる。

 
 

 

 

 

■リーフレットについて
犯罪や非行の背景には様々な“生きづらさ”があります。
その生きづらさに寄り添い,立ち直りを支援する様々な方法について,リーフレットで御紹介しています。
ぜひダウンロードいただき,御覧ください。

 第71回“社会を明るくする運動”広報用リーフレット(閲覧用)【PDF】
 第71回“社会を明るくする運動”広報用リーフレット(印刷用)【PDF】