薬物乱用防止の現状と問題点
「脱法ドラッグ」実は「麻薬」
「ハーブ」や「お香」、「合法」といった言葉で『脱法ドラッグ』の危険性が偽装されてしまっている中、警戒心を持たないままこうした薬物を使い、急性中毒に見舞われる事故が急速に増えています。
平成24年には全国の精神系医療施設患者の原因薬物では、1位覚せい剤、2位脱法ドラッグ、3位鎮静剤向精神薬と、従来の規制薬物を凌ぐ勢いです。
この『脱法ドラッグ』と呼ばれる製品に使われているのが、合成カンナビノイドで、天然大麻中のデルタ9テトラヒドロカンナビノールに似た化合物です。
この合成品は天然品に比べてはるかに危険な症状をもたらすことがあります。
この他『脱法ドラッグ』は、覚醒剤やコカインに似たもの、LSDやマジックマッシュルームのような幻覚作用をもたらすもの、そしてMDMAに似た作用をもたらすピペラジン類や合成オピオイドなど、その化学構造にほんの少し手を加えれば実に多様な類似物質を生み出すことが可能です。
そのため、市場に次々新たなものが登場しています。
麻薬そっくりの効果をもたらし、麻薬と同じ危険性を持っているにもかかわらず、現時点では取締法の対象になっていないため、直接これを取り締まることができないのが『脱法ドラッグ』です。
そのため、もっと効果的な規制する方法はないか、と考えるのが一般的です。
その手法の一つとして期待を寄せられているのが、「包括規制」と呼ばれるものです。
これはある新しい規制物質を規制する際に、その類似薬物群もまとめて規制対象にしてしまうという手法です。
「業者とユーザーのイタチごっこは宿命」とは考えたくありません。 (三宅記)
(厚生労働省ホームページより)
関連リンク
厚生労働省 薬物乱用防止に関する情報
平成26年4月1日より指定薬物の所持・使用等が禁止になりますj(厚生労働省ホームページより)
平成26年4月1日より指定薬物の所持、使用、購入、譲り受けが新たに禁止されます。
違反した場合、3年以下の懲役又は300万円以下の罰金又はこれらが併科されます。
厚生労働省では合法ハーブ等と称して販売される薬物(いわゆる脱法ドラッグ)対策として、脱法ドラッグに含まれる成分のうち、幻覚等の作用を有し、使用した場合に健康被害が発生するおそれのある物質を、薬事法に基づき厚生労働大臣が「指定薬物」として、これまで1,300物質以上を指定し、規制を行ってきました。
薬事法により、指定薬物の輸入、製造、販売、授与、販売若しくは授与目的での貯蔵又は陳列については禁止されていましたが、所持、使用等について特段の規制がなく、指定薬物を含む脱法ドラッグを安易に入手し使用する事例が数多く報告され、急性毒性や「依存症候群」等の精神症状を発現した事例、交通事故等による他者への危害事例が頻発しています。
厚生労働省では、このような状況に対応し、新たな乱用薬物の根絶を図るため、指定薬物の輸入、製造、販売等に加え、所持、使用、購入、譲り受けについても禁止することにしました。
あやしい薬物連絡ネット http://www.yakubutsu.com/
厚生労働省の委託を受け、指定薬物又は偽造医薬品、不正な医薬品に関する情報収集、指定薬物や違法ドラッグの危険性の啓発、薬物で困ったときの相談窓口などの情報提供を行っています。