研修旅行に参加して
朝から降り続く雨の中、くもる車窓から紅葉した野山の風景を眺めながら、二十一世紀美術館に着きました。
近代建築の館内でさまざまな表現の美術作品に出会い、自由な美への想像と表現の追求に圧倒されました。
談笑しながらのランチバイキングを味わった後、目的地湖南学院へとバスに乗り込みました。
次第に雨足が強くなる様は、山間に建つ学院への侵入を拒んでいるかのようでした。
この学院は、問題が単純で比較的軽く、改善が大きい少年たちが収容されているとのこと。
廊下には、少年たちの描いた美術作品や習字が展示されていました。
どの作品にも、明るさが戻っているような表現が見られ、少し安堵しました。
各教室では、各々自分の課題に向けて黙々と勉強している様子を見ることができました。
本人が自ら学ぼうとする力を引き出してやり、社会に役立つ資格を習得させ、矯正教育を行っているということです。
少年たちには、今を生きる覚悟を持ち、心身ともに健全に育ってほしいと思います。
退院すれば、厳しい社会が待っています。
再び道に外れることなく、正しく堂々と人生を歩んでほしいと願いつつ、学院をあとにしました。
(大伴 記)