更生保護女性会研修の旅 「射水更生保護」第19号より
◆岡山少年院を訪問(新湊地区)
「有生塾」という別名をもつ岡山少年院を訪問しました。
まず次長さんの案内で、人出院準備室や面会室、怦育館、集団寮等を見学させていただきました。
7時起床9時就寝という生活を送る寮は畳一枚と机、小さなトイレ・流し・テレビと棚がある部屋が数室並び、畳を取り払い復数人で利用する部屋もあります。
怦育係、洗濯係、生活係、衛生係などの各係を分担して生活をしている説明を受けました。
院長さんからは、懲役又は禁固の執行を受ける者に対し、その特性に心じた育成に資する処遇を行うことにより改善更生及び円滑な社会復帰を図ることを目的としていることや、「安心しておだやかに生活できる環境」を大切にして、「生活」「職業」「教科」「体育」「特別活動」の五つの矯正指導教育を行っていることの説明等を受けました。
教育期間は、個人ごとに設定期間や教育目標は異なるということです。
大切なこととして、「居場所」「出番」「差別なしで相手にしてくれる人がいる」ことに加え、立ち直りを支える地域の力を感じることが必要という説明をされました。
岡山市更生保護女性会の方たちが意見発表会時に岡山名産の「ばら寿司」を作って参加される活動が、少年たちの大きな心の支えとなっていることをお聞きし、今後の私たちの活動を考える参考となりました。
◆岡山刑務所訪問(射水地区)
岡山刑務所では、「刑事施設における改善更生に向けた取り組みについて」のお話を聞きました。
岡山刑務所には、犯罪傾向が進んでいない(初犯)刑期十年以上、二十歳以上の男性受刑者五百五十三名を収容しているそうです。
刑期の長い人も多く、また悪質な犯罪者が多いと聞き、緊張を新たにしました。
被収容者の処遇や警備を行なう職員は二百三十名。社会復帰に向けての本人の努力と、職員の方々のご苦労は大変なことと感じました。
こちらでも高齢化が進み(最高八十八歳)体の悪い方もあり、担当の方は介護の訓練資格もないままお世話し、面倒を見ているとのことでした。
次に、社会復帰をして生きていくための技術習得をする各作業場を視察しました。言葉を交すこともなく、静かに作業に取り組んでいました。
会員の皆さんは立ち直りへの思いを届けるように、技術習得の一つとして行われている備前焼等をたくさん買い求めました。
その後、岡山港で合流し、フェリーで小豆島に向かいました。
瀬戸内海の穏やかな海と島を眺めながら、刑務所内の様子を思い出しました。
案内の総務部長さんは何度も「更生保護女性会への感謝とお礼」の言葉を囗にされ、「岡山の更生保護女性会の皆さんのように熱心に活動をされていることがよくわかりました。」とおっしゃっていただきました。
私たちも、ささやかでも根気強く、更生保護の心を社会の皆さんへ伝えて広げたい。
どんな時でもきっと誰かしら見守り助けてくれる人がいることを教えてあげたいと、熱く語り合いながら、無事帰路につきました。