県外視察研修
研修部会長 瀧内一雄
近年、保護観察対象者として薬物使用者が増えつつあります。
子供のころから薬物の恐ろしさを知ってもらうため射水保護司会では市内3つのライオンズクラブと協力して小学校へ赴き5.6年生を対象に薬物乱用防止教室を開催しています。
また8月には保護司の皆さんに薬物依存症からの回復と社会復帰を目的とする民間施設であるダルクの存在を知ってもらうため、富山ダルクからきていただき研修を行いました。
更にダルクを実際に見ていただき理解していただくため県外研修として10月18・19日の両日、保護司会と更生保護女性会の会員33名で滋賀・びわ湖ダルクを訪問しました。
施設を見学し意見交換ではダルクでの生活状況に対する質問が多く出ました。
当番を決め、規則正しい生活の様子や、積極的に町内の行事やボランティア活動に参加して住民と良い関係を築き、住民として認めてもらっていている状況などを丁寧に答えていただきました。
施設長をはじめ全員が薬物経験者であり、二十数年経った今でも頭をよぎるほど恐ろしい薬物実態や、薬物によって失った家族に対する後悔の思いなど、なまなましい実態を話していただきました。
保護観察中に保護司から薬物は絶対だめだと何度も言われたが、これは空論であってやったものでしか薬物の恐ろしさはわからないと言われたことが一番心に響きました。
すべてを失ったいまだから言える言葉なのかもしれません。
ダルクに入所者の本当の気持ちは自分たちにしかわからないというお互いの信頼がダルクを支えているのだと思いました。
私は薬物対象者を担当したことはありませんが、今回の研修や事前打ち合わせで真の言葉、たくさんの話を聞けたことは今後に役立つ大変有意義なダルク訪問体験でした。
ダルクとは
ダルク(DARC)とはDrug Addiction Rehabilitetion Centerの頭文字をとった民間の薬物依存症回復施設です。
さまざまな薬物(覚醒剤・有機溶剤〔シンナー等〕・市販薬など)から解放されるためのプログラムを実践しています。
薬物依存者はまず、「今日一日薬物を使わないで生きる」ことからスタートします。それを毎日更新し続けることによって薬を使わないクリーンな生き方をし、回復していきます。
(びわこダルクHPより)